【IT通訳の現場から】通訳者の耳を鍛える「インド英語」その1
IT現場の最前線で通訳をしていると、ここ数年でインド人エンジニアと仕事をする機会が劇的に増えたことを実感します。要件定義から始まり、設計、実装、そして単体・結合テストを経てのリリース……。今やどのフェーズを切り取っても、彼らの存在抜きにはプロジェクトが語れないほどです。しかし、日本人にとっての大きな壁が「インド英語への耳のチューニング」です。
インドの方の英語は、流暢で聞き取りやすい人がいる一方で、独特のアクセントに翻弄され、必死に耳を凝らさなければならない場面も多々あります。今後もますます増えるであろう彼らとの共同作業をよりスムーズにするため、知人のインド人に「インド英語の特徴」を聞いてみました。彼が教えてくれた興味深い例を、いくつかご紹介します。
まずは、 Data(データ)。私たちが「デイタ」と発音しがちな data ですが、インドでは “daah-ta”(ダータ) と発音します。会議の冒頭で「ダータが……」と聞こえてきたら、あわてず「データのことだな」と脳内変換する必要があります。
さらに特徴的なのが determine です。通常は「ディターミン」に近い発音ですが、インド英語では deter と mine を明確に切り離し、 “duhtuh-maɪn”(ディター・マイン) と発音する傾向があります。単語の綴りに忠実な、インド英語らしい力強さを感じるポイントです。
最後に、 Schedule(スケジュール)。IT現場で頻出する schedule も要注意です。アメリカ英語の「スケ」ではなく、イギリス英語に近い “she-dule”(シェデュール) と発音する人が多いのが特徴です。進捗確認の際、「シェデュールは……」と聞こえてきたら、即座に予定表を思い浮かべましょう。
こうした発音の癖を知っているだけで、現場での「聞き取りの疲労度」はぐっと下がるかもしれません。他にも、IT現場で役立つ「インド英語あるある」は尽きません。今後も少しずつその奥深い世界を紹介していきたいと思います。
